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 中世ヨーロッパ風ファンタジー

 王権神授の時代、玉座は血によって連綿と伝えられていた。
 ここエレノアール王国は「光」を信仰していた。
 現在、王国は、ハーティン王家が治め、平和な歴史を刻んでいる。
 その王家に縁あるローザンブルグ一族には、不思議な力を持つ者が存在した。

■神の御印(かみのみしるし)
 意匠は、王家を意味する金の三日月に、忠誠を意味する雫型のルビー。
 神殿や礼拝堂には、必ず掲げられており、形を持たない「光」である神をあらわす。

■聖リコリウス
 エレノアール王国の国民ではなく、もっと南方の民族の族長であった。「光」である父たる神への信仰を持っていなかった。
 が、神の信託を受け、改宗する。
 神の信託のままに、初代ハーティン王を助け、玉座にまで導いた。
 一連の出来事は、宗教画に描かれることが多い。
 その宗教画は「受難画」と呼ばれる。

■聖徴(せいちょう)
 ローザンブルグの祖である聖リコリウスが神から授けられた信仰の印。
 神の御印と同じ形の赤痣。
 生まれつきの痣で、痣の位置はバラバラで、その色にも個人差がある。
 色合いは赤〜ごく薄いピンク、女性が赤痣を持つ確率はかなり低い。
 本家に近い血筋の男性は、必ず持つ。

■ローザンブルグ娘
 赤痣を持つ女性の敬称。
 天候を自由自在に操ることができる。
 力が充実するのが10代から20代前半で、ちょうど多感な時期なだけに早婚を推奨されている。
 処女性云々ではなく、単に恋愛感情の方が厄介だったことによる。
 彼女たちの力を完全に抑えられるのは、大神殿とローザンブルグ城だけだという。
 マイルーク城とレインドルク城が次点で挙げられる。
 礼拝堂などにも若干制御力はある。

■ローザンブルグ城
 ローザンブルグ地方ローザンブルグ領にあるローザンブルグ公爵の居城。
 比較的、新しい建物で、2代目ローザンブルグ公爵が建築した。
 それ以前は、ローザンブルグ一族が参拝した小さな神殿があった。
 その神殿は今は、礼拝堂として当時のたたずまいのまま存在している。

■マイルーク城
 ローザンブルグ地方マイルーク領にあるマイルーク子爵の居城。
 聖王妃アネットの生まれ育った城。
 王国創成期までさかのぼることができる歴史ある建造物。
 城壁がなく、四方を森で囲まれている。
 ローザンブルグ公爵(以下、公爵)は、マイルーク子爵の称号を持つ。
 跡取り息子が成人すると、城(領地)と称号を譲り渡す慣習があり、マイルーク子爵=次期公爵となる。

■レインドルク城、レインドルク伯爵家
 ローザンブルグ地方レインドルク領にあるレインドルク伯爵の居城。
 貴婦人の城と呼ばれるこの城は、たいそう優美な外観で知られる。
 白亜の城に、高い城壁。
 小高い丘に建つそのたたずまいは、まさに貴婦人にふさわしい。
 ローザンブルグ娘を輩出するので有名な分家。
 血族結婚を好むせいか、(力を持たないはずの)男子にも異能が出る。
 夢見がちな性格をしている人物が多い。




レフォール:
 19歳。茶褐色の髪、灰青色の瞳。
 冷静沈着、比較的誠実。
 銀の騎士であり、マイルーク子爵でもある。聖徴は左胸。

セルフィーユ:
 15歳。金髪、サファイア・ブルーの瞳。
 内向的、繊細。
 第一王女(白薔薇姫)。聖徴はこめかみ。

ガルヴィ:
 17歳。黒茶の髪、黒い瞳。
 信仰が深く、涙もろい。
 ベルシュタイン侯爵の末娘。

テーオドール:
 エレノアール王国の国王であり、セルフィーユの父。

ソージュ:
 現ローザンブルグ公爵であり、レフォールの父。
 国王とは従兄弟同士になる。聖徴は左手首。

ミルラ:
 ローザンブルグ公爵夫人。レフォールの母。
 美女ではあるが人目を集めるのが好きではない。聖徴は胸元。
 ローザンブルグ娘。

ラメリーノ:
 22歳。ローザンブルグ一族にしてはやや淡い色の髪と瞳。
 勝気で、わがままな美女。
 レインドルク伯爵令嬢。レフォールの父方の従姉。聖徴は首元。

ペルシ:
 21歳。蒲公英色の髪、青鈍色の瞳。
 明朗快活、話し好き。
 レインドルク伯爵公子。ラメリーノの弟、聖徴は首筋。

リーク:
 レインドルク伯爵であり、ラメリーノとペルシの父。ソージュの弟。
 やや苦労性。聖徴は右肩。

アンジェリカ:
 レインドルク伯爵夫人。
 裕福な商人の娘であったのを、見初められて結婚。

シブレット:
 27歳。やや黄身がかった茶色の髪、鉛色の瞳。
 ぼんやり、おっとり、まったり。
 前レインドルク伯爵アンサンシュの忘れ形見。
 聖徴は右手のひら。






※青文字は作中の重要人物
※赤文字は各話の主役
※ミドルネーム及びファミリーネームは省略

素材【Angelic