0523-0526

都合の良いことばかりを期待している自分の浅ましさを疎ましく思う。彼が雨のように優しすぎるから悪いのだ。そうして全てを他人のせいにしているから。私は前にも後ろにも進めないのだ。まるで雨の日に傘を忘れてしまった子供のように。
posted at 18:27:53

0524

昨日……5月23日は恋文の日だったらしい。私はネット上で初めてそれを知った。彼は知っているのだろうか。知っていても気にはしないだろう。365日、いつでも記念日だからきっと気にしていない。私は気にする。私は彼からのメールを保存した。
posted at 06:29:26

携帯電話から聞こえてきた声は、やはり疲れているようだった。「雨は?」他にも訊きたいことがあったような気がするのに、陳腐なことを言ってしまった。「もう降らない」彼は言った。そうだろう。ここが降っていないのだから、あちらも降っているとは思えない。
posted at 22:20:16

「少なくとも明後日までは。そういう予報が出てる」彼が丁寧に訂正した。話すことを忘れていた。通話中の無言ほど気まずいものはないだろう、と知っているのだが行動に至れないことが多い。己の悪癖を直すのは難しい。「知らなかった」無難な返答を返せただろうか。
posted at 22:22:14

0526

「いまどうしてる?」こそ彼に尋ねたい。
posted at 07:46:46

悲しいと涙を流せたのならすぐに来てくれるのだろうか。辛いと伝えられたなら傍にいてくれるのだろうか。そんなことは私にはできない。私には……できない。……どうして、できないのだろう。
posted at 07:52:47

彼が昨夜、言った言葉ばかりが頭の中でリフレインする。忘れないように。まるで忘れたくないように。ただの挨拶なのに、そればかりが思い出される。
posted at 07:56:08

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