0621

「6月の花嫁は幸福になれるらしい」と言った後に「梅雨で面倒」だと呟いた。その心理は分からない。会話の間に挟まれた独り言なのだろうか。
posted at 04:52:39

早く目が覚めすぎた朝は、過去が脳内で明瞭に再現される。もう何年前の話だ。彼はいまだに6月の花嫁――ジューン・ブライドが幸福になれると思っているのだろうか。それとも面倒だと思っているのだろうか。
posted at 04:56:06

彼の独り言が多いのは、私のせいだろう。私は他者に、話しかけなければならない、という義務感を強要する……雰囲気というのだろうか、空気というのだろうか、与えるようだ。突き詰めていえば、私と一緒にいると気まずい、決まり悪い心境に陥るらしい。
posted at 04:58:56

私が会話が下手なせいだろう。私は他人と何を話せばいいのか分からなくなるときが多い。それはインターネット上でも同様だ。私は何を期待されているのか、何を話せば穏当なのか、理解できない局面が多い。他人の顔色が読めない、といえばいいのだろうか。
posted at 05:01:29

細やかなニュアンス。ボディランゲージから察することができない。これは誰のせいでもなく、私自身の問題だ。私は他者の感情変化に鈍感なのだ。……努力はしている。というのは簡単だ。結果がついてこなければ意味がないことは理解している。
posted at 05:04:03

あの日あの時、彼は何を思ったのだろうか。彼の当時のパートナーに6月の結婚をほのめかされたのだろうか、それに対する愚痴のようなものを壁に向かって言うように、私に言ったのだろうか。私も女の勘定に入っていて、そのような……ロマンに溢れたことを希望していると思われたのだろうか。
posted at 05:07:25

列席するとなると面倒な……たとえば雨が降り、足元がぬかるみ、そこそこ見栄の張る服や靴が汚れるのは確かだ。日本の6月は梅雨なのだから。一般論として、止めておいたほうがいいというような忠告の一種だったのだろうか。
posted at 05:09:26

また推量だ。訊けばいいのは理解している。けれども、彼の前に……いや電話口やメールであったとしても、私の気は重くなり、訊くべきことを訊けずに終わるのだ。
posted at 05:10:58

もう一度眠ろう。眠れなくても目をつぶって、数を数えよう。何も考えてはいけない。私は何も見ておらず、何も聞いていないのだから。そう、もう一度眠ろう、眠り続けよう。夢を見ない眠りを願いながら、数を数え続けよう。目覚ましのアラームが鳴る瞬間までは。
posted at 05:17:32

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