第五十四章

「姫。
 暇乞いに参りました。
 明日の未明、ここを発ちます」
 ソウヨウは部屋に入るなり告げた。
 恋人の顔を見てしまうと、何も言い出せずに終わってしまいそうだったからだ。
 世界で一番綺麗な赤瑪瑙を磨いて嵌めこんだような瞳が、ソウヨウを見つめる。
「シャオが一番守らなきゃいけない約束は、ここに無事戻ってくることよ」
 その声は想像していたよりも、しっかりとしていた。
「はい」
 ソウヨウは首肯した。
「だから、そのためなら。
 どんな手を使ってもいいのよ。
 卑怯なことしてでも、私の元に帰って来て」
 ホウチョウは言った。
 風揺れる一輪の花のように、彼女は不安と戦っていた。
 父も兄も、戦乱によって失われた。
 だから、不安も大きい。
「はい。
 必ず、姫のために戻ってまいります」
 ソウヨウは約束をした。
「……。
 見送らないから」
 ホウチョウは微笑んだ。
「はい」
 ソウヨウは微かに笑みを浮かべた。

 建平三年 二月 未明。


 檄を飛ばすのではなく穏やかな話し振り。
 実に落ち着いた声が響く。
 鎧もまとわない青年が笑顔で語る。
「皆さん、勝ちに行きましょう。
 相手の疲労は極限です。
 数多の兵を失い、その士気は低い。
 けれども、こちらにはこれほどの将がいます」
 ソウヨウはそこで言葉を区切って、周囲を見渡す。
 目が合った兵は歓喜する。
「必ず、勝てます」
 力強い言葉。
 計略の奇才は、常勝の将は断言した。
 否応がなく高揚する士気。
「さあ、行きましょう」
 ソウヨウは満足げに微笑んだ。
 それは地獄への誘い。

 鳥陵軍は色墓地域、玉棺と国境沿いで相対する。
 玉棺と小競り合うこと、十日。
 策を授けられたヤン霍奕 字は風呼。知り難きこと陰の如く、玉棺王 玉磊塊の陣に夜襲をかける。
 玉棺軍はこれによりて、混乱をきたす。
 同日、未明。
 紆紫電 字は迅雷。疾風のように駆け抜けて、僅かの手勢でもって玉棺王の三子 玉金麗の首級を挙げる。
 それを受けて、翔集英 字は伯俊。山野を昼夜の区別なしに駆け、玉棺王の次子 玉渾金の首を刎ね、その陣営を劫火の如く滅ぼす。
 鳥陵軍は優位に立つ。
 然れども、玉磊塊、諦めず。
 兵を良くまとめ、再度 相対する。
 絲蒼鷹 字は白厳。攻めの手を緩める。
 これ、策の内なり。



「美味しいご飯が食べたいです」
 わがままを言ったのは、此度の戦の総司令官。
 上等な天幕の中、敷物の上で寝転がりながら。
「わがままを言わないでください。
 ここは戦場なんですよ」
 シュウエイは言った。
 ソウヨウ直属の部下は全員、ここに揃っている。
 揃ってしまうほどの、膠着(こうちゃく)状態に陥っているのだ。
 戦果は上がっているものの、まだ勝利とは言い難かった。
「ふわふわの焼き菓子が食べたい。
 餅を揚げて、砂糖をまぶしたのが食べたい。
 真っ白な小麦粉を練って、蒸かしたのが食べたい。
 果物の砂糖漬けを寒天で固めたのが食べたい」
 ソウヨウは言った。
 かなりの甘党な彼の呟きに、カクエキはげんなりしていた。
 ちなみにソウヨウが挙げている食べ物は、平時であっても贅沢品であるために、そうそう口に入らないはずのものたちである。
「うるさい!
 黙れ、クソ餓鬼!」
 苛ついていたシュウエイが怒鳴る。
 この遠慮のなさが、彼の出世を阻んでいる。
「シュウエイが苛めます」
 そう言いながら、ソウヨウはモウキンの座っているところまでゴロゴロと転がっていく。
「絲将軍、飴で勘弁してもらえませんか?」
 副官は笑いながら、言った。
 飴も貴重品である。
 薬でもある食べ物で、一般の兵は死んでも味わえないものだ。
「はい」
 ソウヨウは無邪気に笑うと、起き上がる。
 モウキンは紙に包まれた、砂糖菓子を包みごとソウヨウに手渡した。
 嬉しそうにソウヨウは紙包みを開く。
 そこには色とりどりの飴や砂糖菓子が入っていて、歳の割りには幼いところのある青年はさらに目を輝かせた。
 それを見たお友だちは三者三様のためいきを漏らした。
 戦うためにここまで来て、策は順調に成功を収め、あと一息と言うところまで来て、突然手を緩めてしまったのだ。
 勝利は目前。
 だが、肝心の司令官のやる気が見えない。
 何とも宙ぶらりんの状況であった。
 進言してもはぐらかされる。
 機を改めるわけでもなく、ギョクカンに侵攻していくわけでもない。
 国境の辺りを行ったり来たり。
 こんな戦い方をするなら、こんなにも兵は要らないのである。
 そのくせ、現状維持を命令する。
 士気がだれてくるのも時間の問題だ。
 戦いは拙速を尊ぶはずだというのに。
 命令を聞くことに慣れすぎた兵たちだからこそ、耐えられているが、そう長くは持たないだろう。
 名のある将たちは危惧していた。
 けれども、ソウヨウは暢気にしていた。


 睨みあいを続けていた戦場に変化が訪れた。
 ソウヨウは見晴らしの良い丘に立ち、朝の爽やかな風を受けていたときのことだった。
 護衛として、ユウシも一緒だ。
「伝令!
 行将軍がギョクカンの首都であるシュレンに入城!」
 伝令がハキハキと告げる。
「やっとですか。
 待ちくたびれてしまうところでした」
 穏やかにソウヨウは言った。
 その唇には自然と笑みが刻み込まれる。
「ギョク・ライカイの長子、ギョク・レイテイを捕らえたとのことです。
 行将軍はそのまま駐屯し、部隊の半数を南下させた模様」
「わかりました。
 名立たる者を天幕に集めてください」
 ソウヨウは伝令を退がらせる。
「……これまでのことは、計略の一部だったんですか?」
 ユウシは驚いて、ソウヨウを見た。
「さあ?
 どうでしょう。
 ないしょです」
 ソウヨウは謎めいた微笑を浮かべた。
「さて、ギョク・ライカイの首を取りに行きましょうか。
 どうやら、行将軍は要らないみたいですから」
 私も、そんなもの欲しくはありませんけど。とソウヨウは笑いながら付け足した。

 二月 二十余り。
 行透徹 字は千里。
 鳥陵の北より、軍を率いて玉棺を侵攻する。
 破竹の如く攻め上がり、首都 珠簾を占領する。
 玉棺王の長子 玉レイテイを捕らえ、人質とする。
 軍を半分に分け、南下させ、白厳への援軍とする。
 玉磊塊、怒り心頭する。
 死出への道連れに、白厳を選ぶ。
 玉棺軍、色墓に侵攻する。



 ソウヨウ率いる軍勢は、ギョク・ライカイと三度、相対した。
 策を弄することなく、二つはぶつかり合った。
 数の上でも、兵士の士気でも、チョウリョウの方が勝っていた。
 ギョク・ライカイはじりじりと沈んでいく。
 今日、明日にも雌雄が決する、と言う局面まで来ていた。

 その報告を、ソウヨウは訊き返した。
「取り逃がした?」
「はっ。
 申し訳ございません」
 伝令係はさらに頭を垂れる。
 別に、彼自身の落ち度ではない。
「わかりました。
 そういうこともあるでしょう。
 仕方がありません。
 ご苦労様でした、退がってください」
 ソウヨウは柔和な笑みを湛える。
 伝令係は平伏するように、深く頭を垂れると、退がった。
 ソウヨウはそっとためいきをつく。
「こんな日もありますよ」
 側にいた副官のモウキンが笑う。
 緑とも茶ともつかない瞳がモウキンを見て、微かに和んだ。
「そうですね」
 ソウヨウは言った。
 その声には落胆の色が濃い。
 よりによって、ギョク・ライカイを取り逃がしてしまったのだ。
 包囲網を突破して、片手で数えられるほどの側近と共にあの悪漢は逃げたのだ。
 戦で深手を負っているはずだから、そう遠くには行ってはいないだろう。潔く自決するほど可愛らしい性格はしていない。この近くに、潜伏しているはずだ。
「少し、疲れました」
 ソウヨウは襟元で括っていた薄荷色の布を解き、頭を左右に振る。
 樫の木色の髪が解放される。
 それから、大きく伸びをする。
「戦況はこれ以上変化のしようがありませんね。
 明日からは残党狩りですか。
 面倒ですね」
 ソウヨウは呟く。
「後事を託して、帰還なされますか?」
 モウキンは言った。
「魅力的な意見ですね。
 ですが、そんなことをしたら、シュウエイに恨まれてしまいます。
 死ぬまで、ねちねちと言われそうじゃないですか?
 やめておきます」
 ソウヨウはニコッと笑う。
 その顔には、やはり疲労の影が濃い。
 体力、持久力の乏しさは、本人も自覚済みだ。
 だからこそ、今までは無理をしなかった。
 この戦局に全てを賭けていたと言っても過言ではない。全力で、敵を迎撃したのだ。
 それで、討ち漏らした。
 落胆も深いはずだ。
「眠ります。
 戦況が変化したら、起こしてくださいね」
 そう告げると、青年の体が傾(かし)ぐ。
 モウキンは難なくそれを受け止める。
 背に対して、驚くほど軽い。
 筋肉の存在を疑ってしまうほどの軽さだ。
 モウキンはためいきをついた。
 上官はすでに深い眠りに落ち込んでいた。
 極限状態で采配を振るっていた証のように、泥沼のように眠っていた。


 明けて、翌日。
 退屈な残党狩りが始まった。
 虱潰しに敵兵を狩っていく。
 ギョク・ライカイの生死が不明なため、いつにない緊張感が走っていたが、それも昼すぎまでのこと。
 すっかりと、和やかな空気が漂っていた。
 だからこそ、こんな発言が出たのだ。
「散歩に行ってきます」
 夕闇が迫る頃、ソウヨウは言った。
 この総司令官が飽き飽きしていたことに配下の者たちは気がついていたので、予想通りの発言だった。
「ご飯までには戻ってきます。
 この辺をグルッと一回りしてくるだけです」
 ソウヨウはニコニコと言う。
「愚息をお連れください」
 モウキンは言った。
「一人で大丈夫ですよ。
 ちゃんと、迷子にならずにここまで戻ってこれます」
 青年は唇を尖らせる。
「念のためです。
 まだ、潜伏している敵兵がいるかもしれません」
「いないかもしれませんよ。
 そう、陣から離れません。
 それに徒歩ですし、平気です」
「何かあってからでは、遅いのです」
「一人になりたいんです。
 このところ、始終人に囲まれていたんで、飽きていたんです」
 ソウヨウはわがままを言う。
「……。
 すぐ、お戻りください」
 モウキンの方が折れた。
「大丈夫ですよ。
 ご飯が楽しみですから。
 今日は、甘い菓子が特別に付くって聞きました」
 とても嬉しそうにソウヨウは笑う。
「気をつけてくださいね」
 今にも走り出しそうな上官に、モウキンは念を押す。
「はい」
 ソウヨウは明るく返事をした。


 森と呼ぶにはまばらな木々の間に、下草が生えていないだけで、地面がむき出しになっている道と呼びがたい道を、ソウヨウはご機嫌に歩いていた。
 空は茜色に染まり、鳥たちが飛び交う姿が影を造る。
「見つけたぞ。
 シ・ソウヨウ!」
 その声で、ソウヨウの散策は中断された。
 振り返り、相手を見るまでもない。
 ギョク・ライカイだ。
「運命の神はいないようですね」
 ソウヨウはためいきをつく。
 先ほどまでの気持ちの良い空気は、どこかに吹き飛んでしまった。
「こちらには、いるようだ。
 決して、一人では滅びぬ!」
 悪漢は凶悪な笑みを浮かべる。
「自滅なされるのなら、静かに沈んでください。
 傍迷惑(はためいわく)です」
 ソウヨウはゆったりと向き直る。
 ライカイは右手に大きな得物を手にし、笑っていた。
「道連れにしてくれるわ!」
 それが、合図だった。
 ライカイは片手で振り回すには大きすぎる曲刀を振り下ろす。
 その動作は片手だ。
 並外れた巨体から生み出された物理量は、音を立てながら空を斬る。
「そんなのごめんです」
 ソウヨウは微笑すら浮かべながら、それをかわす。
 曲刀は大振りに、ソウヨウの体を薙ごうとする。
 が、それもソウヨウが後ろに下がることで軌道の修正を余儀なくされた。
「死ぬなら一人で死んでください。
 寂しいからって、巻き添えにしないでください。
 あ、友だちがいないんですね。
 かわいそうに。
 でも、だからって私がお付き合いする義務はどこにもありません」
 ソウヨウは軽口を叩く。
 それだけの余裕があるのだ。
 一方的な剣戟(けんげき)は続いている。
 それを全部、彼は避け続けている。
「逃げるな!」
 ライカイは叫ぶ。
「いやだなぁ。
 昨日、逃げた人に言われたくありませんよ」
 ソウヨウはクスクスと哂う。
「貴様、それも男か!」
「あはは。
 古典的ですね。
 そんなの、どうでもいいですよ。
 別にあなたに認めてもらわなくても、困りませんから」
 曲刀の鋭い一撃をかわしながら、ソウヨウは言う。
 その息は乱れていない。
「卑怯者め!」
「それ、最高の褒め言葉ですよ。
 兵は詭道(きどう)なり。って、古の人もおっしゃっています」
 ライカイの繰り出した一撃が、ソウヨウの眼前まで迫る。
 ソウヨウは詰まってきた間合いを広げるために、地面を蹴る。
 軽く跳躍して、その間合いは十歩。
 ここまでに、二十合を下らない剣戟の全てを青年は避けきっている。
 並みの将では、こうはいかない。
 彼はシユウによって見出され、コウレツに鍛えられ、ホウスウに仕上げられたのだ。
 絲の名を冠し、暗殺術の全てを叩き込まれた少年は、飛の姓が連綿と守り続けた戦いの全ての技術を会得したのだ。
 どんな剣も武烈と讃えられた者のそれには及ばない。
 どんな計略も鳳に讃えられた者のそれには及ばない。
 ソウヨウの前にいるのは、何と小さい器の生き物なのだろうか。
「黙れ、小童!!」
 ライカイは怒鳴る。
「知ってますか?
 人間は本当のことを言われると怒るんだそうですよ」
 戦場には相応しくない、柔和な微笑み。
「ほざけっ!!」
 ライカイは間合いを詰め、曲刀を振るう。
「怒ってますね」
 ソウヨウは哂う。
 その瞳の色を彼のお友だちが見たなら、凍りついていたことだろう。
 曖昧な色は、いまや緑としか表現できないものとなっている。
 笑っているのは口元だけで、瞳は冷め切っている。
 かつて、蓮緑と呼ばれた少年のものだ。
「そろそろ、決着をつけましょうか。
 晩ご飯に間に合わなくなってしまいます」
 ソウヨウは微笑み、鞘を払う。
「何を抜かす!!
 この青二才がっ!」
 ライカイの曲刀を避け、ソウヨウは間合いを詰める。
 ソウヨウの剣は軽い分、刀身が短いのだ。
 当然、ライカイの間合いよりも、ソウヨウの間合いの方が短い。
 懐に入り込むと、剣を振るう。
 下から跳躍をつけ、斬り上げる。
 手応えを感じながら、追い討ちはかけない。
 曲刀が振り下ろされる前に、元の間合いまで跳び退る。
 一気に片をつけられるほど、ソウヨウの剣は重くない。
 手数で勝負だ。
 致命傷にならなくても、大量の血を失えば、死に近づく。
 それを狙っているのだ。
 打ち合うこと十合。
 ソウヨウは無傷で、立っていた。
 口元には余裕の笑み。
 対するライカイは満身創痍。
 それでも悪漢は曲刀を振り下ろす。
 ソウヨウの剣はそれを剣背で受け流す。
 その勢いで、相手のがら空きの首を狙う。
 それは綺麗に弧を描き、深々と刺さった。
 一切の仮借なく、ソウヨウは剣を抜き去る。
 噴き出した血が辺り一面を紅に染め上げた。
 ライカイは尚も曲刀でソウヨウを狙っていたが、力尽きた。
 巨体が地面に沈む。
 ライカイは意味の取れないことを二、三言叫ぶとがっくりと倒れた。
 ギョクカンの王は死んだ。
 ソウヨウは剣を振り、血糊を払うと鞘に収める。
 この戦で最も戦果を上げた青年は、感慨なくそれを見下ろす。
「汚れてしまいました。
 嫌な匂いがしますね」
 強かに浴びた返り血にぼやく。
 晩ご飯が待っていることを思い出し、嬉しそうに笑う。
 今日は甘い菓子が付いているのだ。
 遅れたら、なかったことにされてしまうかもしれない。
 早く帰ろう。
 ……ソウヨウは、そこまで思い、死体を見る。
「どうしましょう。
 つい、殺してしまいました。
 ほんの出来心ですけど。
 ああ、どうして私は陣営まで逃げなかったんでしょう。
 そうすれば、ツーもカクエキもいたんですし。
 誰かが問題なく処理してくれたのに」
 青年は悔いた。
 つい、殺してしまったものは、敵の総大将である。
 死を明らかにしなければならない。
「これから、陣営に戻って道案内するんですか。
 それでは晩ご飯に間に合いません。
 でも、ほっておいては戦争が終結しません。
 絶対、シュウエイに怒られます。
 そんなの嫌です」
 ソウヨウはおろおろと右往左往する。
「でも、こんな重いもの一人では運べません」
 しゅんとうなだれる。
 悲しいくらい非力なのだ。
 自分よりも背が高く、目方が二倍以上違うものは、運べない。
「あ。
 良い事、思いつきました」
 ソウヨウは顔を輝かせる。
 ライカイの曲刀を拾い上げる。
「……重い。
 こんなもの、よく振り回せますよね」
 ソウヨウの剣の倍以上重いそれを、両手で持つ。
 刀身をライカイの首に当てる。
 引き切るのでは不十分なので、刀背に左足を乗せる。
 曲刀の方に体の重心を移す。
 ごとん
 鈍い音を立てて、曲刀は地面に突き刺さる。
「これで軽くなりましたね」
 ソウヨウは首級を拾う。
「早く帰らないと、シュウエイに甘い菓子を取り上げられてしまいます」
 呟きながら、軽い足取りでソウヨウは戻る。
 空には星々が瞬き始めていた。

 建平三年 三月。
 色墓の戦い 終結する。

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